ニカワで泥絵の具を溶いて、それを人形に塗っていきます。
色つけは、胡粉彩色(ごふんさいしき)という言い方もします。
言い方は違っても、ニカワで溶いた胡粉や泥絵の具を塗ることです。
ニカワが少ないと、絵の具が剥げて、触ると手についたりザラザラととれたりします。
ニカワが多いと、絵の具が割れて、ひび割れた絵の具の破片が浮いて落ちたりします。
面倒な泥絵の具ですが、江戸時代の人形も、同じ素材だったんだな、とおもってみると
その質感の違いが、味わい深いです。
ちょっとざらついてるよな、粉っぽく見えるのは、泥絵の具の粒子のせいでしょう。
つやが感じられたら、それは、ニカワの成分です。
絵の具の量で少し盛り上がったり
筆の跡が見えたり。
などなど。
あと、泥絵の具だと経年変化します。
退色したり、色が落ち着いたりします。
そういう変化もまた、むかしからの素材ならではの楽しみだと思います。
手仕事で、ひとつひとつ作るなら、
手の仕事が残ってしまいやすい、むかしながらの素材を使う方が楽しめると思っています。